「日本近代詩の父」とも称される大正時代の詩人、萩原朔太郎。処女詩集『月に吠える』によって詩壇に確固たる地位を築ききあげました。その他、『青猫』『氷島』などの詩集が知られています。なお、その性格は詩の作風と同じように神経質で繊細だったといわれます。写真を見ても、その繊細さが伝わってくると同時に、なかなかの美男子だったことも分かりますね。

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       萩原朔太郎

この朔太郎が黒い下着を愛用していたというエピソードがあります。

大正時代のこの時期に黒い下着とはさぞかしオシャレだと思いきや、実はこの黒い下着にはオシャレとはほど遠い理由があったようなのです。

実は、朔太郎は重度の痔持ちで、晩年は歩くことも大変だったといわれています。そのため、普通の白いパンツをはいていたら、すぐに痔の出血で汚れてしまう。繊細だった彼は、それが耐えられなかったのでしょう。そこで登場したのが、汚れが目立たない黒い下着だったというわけです。朔太郎は、甘いマスクの裏にこのような悩みも抱えていたのです。

ということで、萩原朔太郎が黒い下着を愛用していたのは、痔による出血を目立たなくするためだった、という話しでした。