毎年5月に、国税庁は納税額で一千万円を超える高額納税者を公表します。納税額だけで一千万円を超えるとなると、我々庶民には何だか想像がつかない感じです。

この「高額納税者番付」、多額の税金を納めた人々の貢献を示すものかなぁとも思ったのですが、実はこのような番付を公表するのには隠された理由があるのだそうです。何だと思いますか? ヒントはこの番付が公表された直後が国税庁がいちばん忙しい時期だというウワサがある、ということですが…。

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もったいぶらないで書くと、実はこの番付を掲載した直後には、それを見た人々から国税庁に、所得隠しや脱税などを密告した情報がたくさん集まるのだといいます。

高額所得を得ている人の中でも、芸能人やスポーツ選手などは、その活躍の程度が広く知られているため、案外その所得額は透明性が高いようです。そのため、このような人達が脱税の容疑をかけられることはあまりありません。
(ただし、個人事務所で脱税というのは最近もありましたね…)
一方で個人事業主や遺産相続などが絡んでいる場合は、外部からはなかなか不透明な部分も多いものです。

このような人達に対して、ライバル会社やリストラされた元役員、遺産相続争いに不満を持つ親族などが、詳細で説得力に富む密告をすることが多いとのこと。そして、彼らの密告が脱税や申告漏れの引き金になることも、決して少なくないのだそうです。ちょっと怖いですね。

ということで、「高額納税者番付」を公表する理由のひとつは、不正申告者を密告によってあぶり出す
という意図もあるらしい、というお話でした。